印刷/加工
段ボール製品の事例

一般的な段ボールは、表と裏のライナーと呼ばれる原紙と、それに挟まれた波状に成型された中芯からできています。断面の波型の連なりは建築でも用いられる構造「トラス構造」で強度・安定性に優れており、段ボールは商品パッケージやディスプレイ、緩衝材、梱包資材、輸送カートン・パレットなど、幅広く使用されています。
段ボールの厚み(フルート)
段ボールは、一重のものであれば厚みがおよそ1mm未満〜5mmのものまであり、それぞれ用途によって使い分けられています。
例えば「G段」は衝撃に耐えうるパッケージを作ることができ、メール便やクリックポストなどにも使用されています。オフセット印刷機に直接通すことができるので、美粧性にも優れています。「E段」は軽い商品を入れる箱やメール便で送る際に使う箱などに使用されています。「B段」は仕切りや内装箱などに向いており、加工のしやすさから工作やディスプレイなど梱包目的以外でも使用されています。「A段」は強度に優れており、衝撃吸収性と圧縮に対する強さに優れており、梱包で多く使用されています。「AAA段」は機械・自動車部品・農産物の輸出梱包、液体・紛体輸出用の容器、紙製パレット、避難所の簡易ベッドとしても使用されています。
※ 段ボールの厚みはあくまで中芯の段の高さの違いで、厚みに比例して強度が上がるとは限りません。
段ボールの強度と材質の表記
段ボールの強度、破れ難さ、価格はその材質によっても変わります。
ライナーの材質は「C5」「K5」「K7」などと表記されます。Cは古紙が多く含まれ、Kはバージンパルプが多く含まれた材質で、1平方メートル@あたりの重さ(坪量)によってその強度も異なります。また、ディスプレイやパッケージなどには色付きのカラーライナーを使用し、段ボールにデザイン性や高級感を持たせる場合もあります。
フルカラー印刷や箔押し加工などを施した板紙を貼合(合紙)する場合もあります。
中芯の材質は坪量g(グラム)で表記されます。波状に成型しなければならないので比較的薄めの素材が使われており、「普通中芯」と、同じ坪量でも薬剤等を使用し強度を上げた「強化中芯」とがあります。
※ プラダン(段プラ・プラ段ボール)とは「プラスチックダンボール」の略称で、ポリプロピレン樹脂(PP)を原材料として製造された板状の素材です。紙製の段ボールに似た中空構造と、プラスチックならではの耐久性・耐水性・断熱性・耐薬性を併せ持っているため、軽量かつ丈夫で、繰り返し長く使用できるのが特徴です。
参考:カラーライナーを使用した例(メール便対応パッケージ)
参考:オフセット印刷→PP貼り加工後の用紙をE段に貼合(合紙)した例(店頭用ディスプレイ什器)
参考:プラ段を使用した例(ハイエースワゴン用カーゴマット)
段ボールはリサイクル率が高く、環境負荷が低い資材として見直されています。また、業者によって表記方法に違いがあったり、扱われ方や中身の特性を考えた材質の選定がとても難しいことから、ご相談も多く頂いております。
※ 様々な形状のご提案が可能です。素材の種類や強度、加工法、量産性なども加味し弊社のプロフェッショナルがより適切な形状設計・ご提案をいたします。お気軽にご相談ください。